チームの振り返りをハックする!手法・成熟度・メンバー特性から見つける

「なんだか今回の振り返り、しっくりこなかったな…」なんて感じたこと、ありませんか?

チームで仕事を進める上で欠かせない「振り返り」。でも、いつも同じやり方だと、マンネリ化してしまったり、本当に話したいことが話せなかったりしますよね。

こういった事が起こりえるのは、チームの状態やメンバーの個性によって、効果的な振り返りのやり方は全然違うからなのではないかと考えています。この記事では、ぼくの考えるチーム状態やメンバーの個性に合わせた、振り返りの手法を整理しています。

振り返りの「型」を知ろう!代表的な手法カタログ

まずは、どんな振り返りのフレームワークがあるのか見ていきましょう。それぞれ特徴があります。

  • KPT(ケプト) 「Keep(良かったこと)」「Problem(問題だったこと)」「Try(次に試すこと)」の3つで考える、シンプルで超強力な手法です。具体的なアクションに繋がりやすいです。
  • YWT(ワイダブリューティー) 「Y(やったこと)」「W(わかったこと)」「T(つぎにやること)」で整理します。「やったこと」という客観的な事実と、「わかったこと」という学びや気づきを分けるのがポイント。冷静な議論がしたい時や、経験からの学習を促したい場合に特に効果的です。
  • Fun/Done/Learn(ファン/ダン/ラーン) ポジティブな雰囲気が欲しいならコレ!「Fun(楽しかったこと)」「Done(完了したこと)」「Learn(学んだこと)」に焦点を当てるので、チームの心理的安全性を高めてくれます。
  • Starfish(スターフィッシュ) もう少し多角的に見てみたい時に。「Start doing(始めること)」「Stop doing(やめること)」「Keep doing(続けること)」「More of(もっとやること)」「Less of(減らすこと)」の5つの視点で、活動を細かくチューニングできます。
  • 4L メンバーの気持ちに寄り添うなら。「Liked(良かったこと)」「Learned(学んだこと)」「Lacked(足りなかったこと)」「Longed for(望んでいたこと)」という、感情や欲求に焦点を当てるので、相互理解がグッと深まります。
  • タイムライン振り返り プロジェクト全体を鳥瞰したい時に。期間中の出来事を時系列に並べて、その時の感情のアップダウンを書き出します。何がチームのテンションに影響したか、一目瞭然ですよ。

ぼくらのチーム、今どのステージ?(チームの成熟度)

チームって、生き物みたいに成長していくんですよね。有名な「タックマンモデル」を参考に、自分たちのチームが今どの段階にいるかチェックしてみましょう。

  • 形成期 (Forming) まさに結成したてのホヤホヤ期。お互いに遠慮しがちで、リーダーの指示を待っている感じ。まだ手探り状態です。
  • 混乱期 (Storming) ちょっと慣れてきて、意見がぶつかり合う時期。「え、そっちのやり方なの?」みたいな対立が起こりやすいカオスな段階。でも、ここを乗り越えるのが大事!
  • 統一期 (Norming) 嵐を乗り越え、チームのルールや役割が固まってくる安定期。一体感が生まれて、建設的な話し合いができるようになります。
  • 機能期 (Performing) チームとして最高にノッてる状態!メンバーが自律的に動いて、互いの強みを活かしながら成果を出していきます。

どんな人がいる?(メンバー特性)

最後に、チームを構成する「人」の特性を見てみましょう。どんなタイプのメンバーが多いかで、チームのカラーは全然違ってきます。

  • コミュニケーションスタイル
    • 積極型: 議論をリードしてくれる頼れる存在。
    • 慎重型: じっくり考えて的確な一言をくれる人。
    • 協調型: チームの潤滑油になってくれるバランサー。
    • 論理・分析型: データでバシッと意見を言ってくれるクールな頭脳派。
  • 経験・スキルセット
    • シニア・経験豊富: チームを引っ張ってくれる大黒柱。
    • ジュニア・経験が浅い: フレッシュな視点と伸びしろが魅力。
    • 専門家: 「そのことなら任せろ!」なスペシャリスト。
  • モチベーションの傾向
    • 挑戦志向: 新しいことが大好物なチャレンジャー。
    • 安定志向: 計画通りに進むと安心する堅実派。
    • 貢献・承認志向: 「ありがとう」がパワーの源になるタイプ。
    • 探求志向: 「なぜ?」を突き詰めるのが好きな研究者タイプ。

ここまで、振り返りの「手法」、チームの「成熟度」、メンバーの「特性」を見てきました。

大切なのは、これらの要素を組み合わせて、「今の自分たちのチームに合うのはどれだろう?」と考えてみることです。毎回同じKPTばかりじゃなく、たまには4Lで気持ちを話してみたり、混乱期にはYWTで冷静に事実を整理してみたり。色々と試しながら、チームをどんどん良い方向に育てていきましょう!